■ 分解整備実施 2024 パイオニア ランナウェイ SK-900

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商品情報

■ 分解整備実施 パイオニア ランナウェイ SK-900商品説明ご覧いただきありがとうございます。
写真のとおり パイオニア ランナウェイ SK-900 を出品します。

実家のSK-900をフルメンテした経験より、今回は6台目となる個体をメンテしました。

(1) カセットデッキ部
ベルトが経たって動作しませんでしたので新品のベルトに交換して復活しました。ピンチローラも新品にしました。SK-900のデッキは頑丈なのですが使われているグリスの経年劣化がよろしくなく、殆どがベタついて動作を妨げています。今回もこれを無水アルコールで徹底的に取り除き新たに柔らかめの油で潤滑をとって軽快な動作に復活しています。120分テープも噛みこまず安定しています。

デッキ部のメンテは分解からして極めて面倒で、背面パネルはもちろん前面パネルと基板類を全て外さないとデッキにたどり着きません。コネクタが11個あって基板は3枚、それらを全て外して奥まったデッキにたどり着きます。そしてデッキを修理して元通りに組み上げて完了と言いたいところですが、このデッキは単に組み上げてもそのままでは動作せず、歯車機構の位置合わせをする必要があります。これが非常に難儀でして・・・

動作確認をするためには先の分解を全て復旧しなけらばならず、歯車調整はこれを何度もする必要があります。モータ速度の調整も同じです。普通のデッキはオシロを見ながらモータ速度を調節すればよいのですが、SK-900はユーザーが調整するとなるとデッキが見えるところまで分解し調節ネジを僅かに回して全部復旧したうえでオシロで確認。±を調整するにはこれを10回くらい繰り返すことになります (;;)

おまけにこの機種はメンテを全く想定していないようで、基板間の配線に曲げに弱い線が使われています。これも対策をしてから作業をしないと簡単に断線してどこが具合が悪いのか見分けがつかなくなります。

あと、このデッキは特定の歯車に必ずひびが入りますのでこれを樹脂で補強しました。ひびは放置すると巻き戻しと早送りができなくなります。

このように作業によって再生/録音できるようになったのですが、残念ながら下記の懸念点が残っています。
・AUTOレベルコントロールでの録音レベルが低いです。
手動でレベルを過大気味にするとそれなりのレベルで録音されます。録音済みのテープの再生は正常です。
・再生時にカタカタと小さな機械音が鳴ります。
原因が分かっているのでなんとか修理したかったのですが、現代では部品が手に入らず現状通りとしています。

最終調整は私の所有機でありますCR-70(定期的にナカミチIDKでメンテをしていました)で作成しました440Hz 0dBのテストテープを使ってアジマスと再生レベルを合わせています。同時にSONY HE-4を使ってヘッド消磁を行いました。また、ミラーカセットテープを使ってテープ走行の安定を目視で確認しています。

ダイレクト選曲、ドルビー、1曲リピート、テープリピート、メタルテープの使用、ミュート動作、AUTO/手動録音、タイマー動作 正常です。

(2) ラジオ部
アンプ回路を含め部品を交換することで復活させています。 AM/FM共にクリアな音で鳴ります。
SK-900の特徴であるFM受信での →・← のインジケータ表示も正常です。ただし、電解強度が低い場合に←の表示が弱いです。AMの同調表示は正常です。

(3) ライン入力部
外部入力としてAUXにMDデッキから入力してクリアな音で鳴ることを確認しました。録音は上記のカセットデッキ部の状況と変わりません。

(4) アンプ・イコライザー部
カセット、ラジオ、ライン入力ともにきれいに鳴ります。イコライザーも周波数成分は確認していないですがボリュームつまみに応じて音質が変化します。
この部分のメンテ写真は挙げていないですが、こもノウハウがあり面倒ですが復活させました。

あと、念のため5個くらいコンデンサを外して容量とD値を調べましたが特段の劣化はありませんでした。年数が経ったラジカセでは多くの機種が容量抜けしていますが、SK-900はなぜかいつも劣化が少ないです。元々の設計思想なのか、当時に高価なラジカセでしたので大事にされている方が多いのか? 半固定抵抗器に劣化がありましたので全数新品に交換しました。

SK-900はパッシブラジエーター用にスピーカの背面にグラスウールが入っていますが、ここも劣化や傷みがないか確認しました。あまり文章にしたくないですが、
(5) 外装
スピーカの保護ネットに若干の錆がありましたので修正塗装を行いました。分解してケースをお湯で洗って養生して塗装。塗装ではオリジナルの色を維持すべく、錆が目立たないくらいに留めて薄く塗りました。塗料は頑丈な自動車用のものを使っています。ラジオ部、デッキ部のアクリル面はプラスチッククリーナーで磨きました。

カセットの操作スイッチのアルミ板が浮き上がっています。接着剤で固定すれば良いのですが私は接着剤はあまり使いたくない性分ですし、写真3枚目のように自然な感じで違和感がないですのでそのままにしています。気になる場合は瞬間接着剤等で固定してください。


以上、(1)のデッキ部のところが玉に瑕ですが、現代のオーディオデバイスからのソース入力とラジオで素晴らしい音で鳴ります。

SK-900は非常にコストのかかった造りで安っぽさが無く、二度と作られることのない美しいデザインが秀逸です。使われているメッキも明らかに他機種より厚くて品質が良いです。特筆すべきは何と言ってもスピーカーの正面で聞く音の拡がりと言いましょうか、掛け値なしに素晴らしいと思います。劣化部品を新調し、延べ6日くらいかけて気になる点る点を整備しましたので価格は低くないですが、きっとご満足いただける
お近くの方は実機を確認いただいての検討も結構ですので、質問欄へお願いします。

なお、お決まりですが古いアナログ製品ですので「電源が入らない」「ラジオとカセット再生で音が出ない」場合に限り返品を受け付けます。それ以外の責は免責でお願いいたします。(これまでにそのようなことは一度も起こっていないですが為念です)

検討を宜しくお願いします。

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